腕時計の高度計精度を検証してみる -後編- 【登山用腕時計 「PROTREK」の実用レビュー】

前回のレビューに引き続き「PRO TREK (プロトレック)」の検証実験。今回は「高度計の精度」を徹底的に検証してみました。

検証する山は「和気アルプス」

 

標高1,000~2,000mの山での検証を考えましたが、いずれも積雪が確認できたため断念せざるを得ない状況に。

何座かの候補に目を通しながら、岡山県和気郡にある「和気アルプス」を選択。

 

300mクラスでありながらアップダウンのある縦走が行えるため、細かい高度変化をチェックできると判断しました。

 

 

高度計精度の検証方法

 

「気圧の変化」が高度計測に大きな影響を及ぼすことを考慮して、実際の地図と照らし合わせての作業が最良だと考えます。

よって「高度の微調整」を行うポイントを数カ所設けることにしました。

 

 

 

「高度」のチェックポイントを設定

 

まず手始めに「国土地理院」のサイトを尋ねます。

 

地理院のサイトで「公式な高度が記載されているポイント」を3点選択。

・和気富士:172.4m

・奥ノ峰:274m

・和気富士:369.9m

 

このポイントで高度の微調整を計りたいと思います。

 

 

 

 

「海抜0m」の問題点

 

続いて「高度の計測ポイント」を追加したいところですが、ここで一つ問題が発生。

和気アルプスへの入山口にて一番低いと思われていたポイントの高度を測ってみると・・・

 

「約22m」の高さがありました。

 

その後「海抜0m」のポイントを探して地図上をウロウロ。

海抜0mに限りなく近いと思われた川辺も・・・

 

高度が「19.2m」あるというオチ。

 

 

 

妥協してスタート地点を「+22m」に設定することに決めました。

 

 

 

 

「高度検証」「微調整」ポイントを決定

スタート地点が決まったため、順次「高度を検証」するポイントを地図にチェックしていきます。

 

 

緑色で明記したポイント= 辿り着いた時点の高度をチェックする。

ピンクで明記したポイント= 実際の高度と照らし合わせて高度の微調整を行う。

 

スタート地点が決まったため、緑色で明記したポイント毎に高度を計測していくことにしました。

 

 

 

検証実験を開始

1月12日(木)AM9:50

 

前日に何度もGoogleマップで眺めた場所に立っていました。

目の前にはスタート地点であるマンホール(高度22m)が待ち構えています。

 

何度も確認してこのマンホールで間違いないかをチェック。

 

今回は目的ありきの登山なので妙な緊張感が走ります。

 

 

 

スタート地点の高度を設定

 

マンホールの上に立って高度計の数値を「+22m」に設定。

画面上部にある「±0」の表記が実際に登った高度になります。

 

 

ある程度補整された登山道を歩きながら腕時計を眺めると、

 

1m刻みで高さを計測していました。

 

眼下に町並みを見渡せる高さに到達。

 

現在の高度は「115m」

感覚的に大きな誤差は無い印象を受けました。

 

頂上は「約173m」のため、残り58m登ればOKといった計算となります。

 

 

 

高度を計測して記録していくとレジスターリングの周囲にゲージが点滅し始めます。

スタートしてからどんどん記録(1ゲージ=10分)されていき、時間が経過すればするほど長くなる仕様。

 

アナログ時計の文字盤と連動しており「入山して何時間が経過したか?」がひと目で判るため地味に嬉しい機能です。

 

 

 

最初のチェックポイント

 

入山開始から25分ほどで「和気富士」の頂上へ到着しました。

平日ということもあり、他に登山者は誰もいません。

 

周囲を見渡して三角点を発見!

 

合格発表の番号を探すような気持ちで時計の画面を仰視。

表示されている高度は「179m」

 

最初のチェックポイントである「和気富士」での誤差は「+6m」でした。

 

 

ピッタリ賞とはなりませんでしたが、充分な結果に心躍ります。

 

 

予定通りここで最初の「高度補整」

「173m」に設定して登山を再開しました。

 

 

 

順調な計測結果

 

その後も各チェックポイントを巡り、着々と結果を記録していきます。

「烏帽子岩」誤差:-9m

「観音山」誤差:+12m

「エビ山」誤差:+7m

 

 

「岩山」誤差:-4m

「前ノ峰」誤差:-12m

「穂高山」誤差:-7m

 

所々で10m程の誤差がありますが、個人的に問題を感じることはありませんでした。

 

 

気圧のイタズラ

 

そして昼食をとる予定のポイント「涸沢峰」に到着。

ここでの誤差は「-7m」です。

 

 

リュックから調理器具を取り出してひとときの休息。

お正月に余った食材で構成された昼食が山の岩肌に並んでいきます。

ロースターで焼かれる餅がなんとも言えない哀愁を醸し出していました。

 

 

食事を終えて無意識に時計を確認・・・

あれ? なんかさっきと数値が違うような・・・

 

 

 

Σ(;´Д`) 「高度変わってるじゃん!!」

 

同じ場所に長時間滞在したせいで「16m」も高度が上がってしまいました。

 

さすが山の気圧変化だなぁ・・・としみじみ痛感しながら高度の補整を行うか迷います。

とりあえず「微調整を行うポイント」以外は補整を行わないことに決め、リュックを背負い縦走を再開しました。

 

 

 

2つ目の補整ポイント

 

その後も順調に高度を計測。

「ジャンダルム」誤差:+9m

「奥ノ峰」誤差:+24m

 

どちらも気圧変化による「+16m」の増加があるため、

 

「ジャンダルム」誤差:-6m

「奥ノ峰」誤差:+9m

 

となるのが正解。

 

 

ここで2度目の「高度補整」

昼食時の気圧変化がなければ誤差:+9mでした。

「274m」に設定して縦走を再開。

 

 

 

 

最後のチェックポイント

 

最後の計測ポイントとなる「神ノ上山」に到着。

天候に恵まれ遠くの山々が見渡せました。

 

なぜか鯉のぼりが風になびいています。

 

満足行くまで景色を堪能した後で、三角点を探します。

 

検証実験の集大成、いったいどんな結果になるのか・・・

 

\(´Д`)/ふおおおおおおおおおおおおっっっ!!!

 

「±0」とまではなりませんでしたが、トリを飾るには相応しい結果でした。

 

 

今回の実験でわかったこと

・PRO TREKの「高度計」は地図と併用して使用すると最高のパフォーマンスを発揮する。

・ひとつの場所に長く留まる(昼食等)場合は「気圧変化」に注意。
 辿り着いた時点の「高度」を覚えておくと吉。

・手元で気軽に「高度」を確認できることは、登山中に精神的な支えとなる。

 

 

 

 

満足な結果を得て下山の途につきます。

高度も2ケタ台に落ち、足もとは平らな地面となりました。

 

 

獣避けの鉄柵を開けて無事帰還。

 

安堵の気持ちで駐車場まで歩き、自宅方面へと車を走らせます。

 

 

途中で見つけた「海抜0.9m」の標識。

 

 

 

 (๑•̀ㅂ•́)و✧ おっしゃ!

 

 

 

 

 

 

 

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