ジャングルへピクニックに行こう - 会社の屋根に木が生えるまでのお話 中編 –


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伐採に出かけよう

11月5日 (日曜) - 早朝-

 

「イルミネーションの使用する木材」が不足している旨を伝えた週末。

 

待ち合わせの場所へ向かうとガチ装備を黙々と積んでいく大工さんの姿がありました。

 

 

言葉を発さずとも伝わるやる気○る気満々な様に惚れ惚れします。

 

 

 

「ちょっとジャングルみたいなところへ行くけど、基本的にはピクニック感覚で行けるから」

 

 

 

(´-`).oO(ジャングルでピクニック?)

 

 

あまり耳にしたことのない単語の組み合わせに不安になり目で訴えますと、

 

 

「細けぇ事はいいんだよw」

 

 

と言わんばかりの余裕に満ちた表情で答えてくれました。

 

 

 

 

 

ピクニックに行こう

 

そのままダンプに乗り込み揺られること20分程。

 

舗装された道は少しずつ悪路へと変わり、遠ざかっていく地上を横目で見ながら急勾配をどんどん登っていきます。

ただでさえ幅狭な道路は4tトラックにとっては既にギリギリ。

 

「ダンプで来る必要性は?・・・ 軽トラでも充分だったんじゃない?」

 

と対向車が来ない事を祈りながら考えていました。

 

目の前に見えるカーブに合わせてハンドルがゆっくりと右側に・・・

 

 

 

 

 

 

 

右側に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、ちょっと待って・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え? 曲がるのこっち?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

草木が生い茂り、先の見えない下り坂を・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイブ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴンッ! と大きく車内が縦に揺れ、体が上下に踊りました。

 

 

 

 

 

加速とダンプの重量に全てを委ね、枝という枝を押し除けて進むスタイル。

 

「メリメリッ」と引きちぎる系の音が全方向から聞こえる中、滑るように突進するダンプカー。

 

そんな勢いも数秒も持たないまま密集した枝の壁を前で停止。

 

抵抗を試みるも 全く進めなくなりました。

 

 

 

 

ダンプカーでアクセルベタ踏みしても前に進めないとか・・・

 

 

鉄の塊を余裕の表情で受け止る大自然の凄みを目の当たりにし、ゾクリと背筋が冷えていくのを感じます。

 

 

 

 

 

 

 

というか今置かれてるこの状況

 

 

 

 

 

 

 

軽く事故。

 

 

 

 

 

 

車体は太い枝にガッツリとホールドされており身動きが取れません。

 

ハンドルを切ることもままならないこの状態で来た道を戻れるんだろうか・・・

 

 

 

詳細を問わずここへ来たことに全力の後悔が沸き上がります。

 

 

 

 

 

 

そもそも・・・

 

 

 

 

 

単純に不足分の枝が欲しかっただけなんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

なのに・・・

 

 

 

 

 

 

 

なぁに コレェ・・・

 

 

 

フロントガラス越しに広がる風景は文明のニオイが皆無な大自然の壁。

 

 

 

 

 

「ジャングル要素」はウンザリするほど理解できましたが、よもやピクニック感覚の軽い気持ちで特攻までは頭が回りませんでした。

 

 

 

 

 

 

聞けば大工さんのお婆さんが所有している土地だそうですが・・・

 

 

 

 

これ以上は・・・ 進めないよね? 

 

 

 

 

 

 

 

進まないよね?!

 

 

 

 

 

 

 

 

「これからどうやって来た道を戻るか?」を考える横でシートベルトを外す大工さん。

 

それから「ヒョイッ」と軽い身のこなしで車の外へと降りる大工さん(70)

 

 

 

 

「たしかこの辺に柵が・・・」と密林に手を突っ込んで探す大工さん。

 

 

 

 

 

柵って・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここまで全部シナリオ通りかよ!!!」

 

 

 

 

もう、どこからツッコんで良いかわかりません・・・

 

 

 

 

 

手探りで鉄の鎖を抜き取り、

Σ(´-`).oO( ホントに柵あった!)

 

 

 

そのまま迷うこと無く草の壁へ突進。

 

「片手鎌」を勢いよく振り回し、華麗に草を刈っていきます。

 

 

その姿は「天狗」とかそれ系のカテゴリーに属する何かに見えました。

 

 

 

 

 

もの凄い早さで密集した木々を分解しながら突き進み、呆気にとられながら見守るだけの相棒に

 

 

「こっち来いよw」

 

 

と笑顔で手をプラプラさせています。

 

 

 

 

 

 

 

 

これは・・・ その・・・ 

 

 

 

 

 

 

「そこ目がけてダンプで突っ込んでこいよ」ってことですかい?!

 

 

 

 

 

相手の防御力を削り、重機で突っ込んでなぎ倒す。

 

「実に理に適った作戦だなぁ・・・」 と思考停止した頭で呟きました。

 

 

 

 

 

大工さんが草を刈り取る。

 

 ↓

 

ダンプで突進して草木をなぎ倒す。

 

 ↓   

 

 

刈る

 

 ↓

 

突進

 

 

 

 

何度も繰り返すこと15分程。

 

やっぱ「ピクニック」なんて言葉で誤魔化しちゃダメだよ・・・

 

 

 

 

 

満面の笑顔で誤魔化してるけど、

 

 

 

 

 

ぶっちぎりの全力で「開拓」だよ!

 

 

 

 

 

このままダンプカーのアクセルを踏むだけの行為に、残りの人生を費やしていくのだ と諦めかけてから1時間が経過。

 

 

 

「着いたよ」

 

 

との声と共に大工さんが車内へと戻ってきました。

 

 

 

ようやくたどり着いた私有地 ↑

 

(´-`).oO(私有・・・地?)

 

 

視界に入るすべてに木々がひしめき合っており「私有地」の定義って何だろうな?と悶々とした気持ちになりました。

 

 

 

 

 

そして、この瞬間まで忘れかけていた本来の目的を思い出し、イルミネーションに必要な素材を手に入れるため辺りを駆け回ります。

 

 

 

 

それから約2時間ほどかけて木々を伐採。

 

荷台に積めるだけ積んで開拓してきた道を戻ります。

 

 

ちゃんと整地されている道に加え、四輪駆動ならではの力強い走行で坂道を登っていきました。

(´-`).oO(「ダンプである必要性」はここに繋がるのか・・・

 

 

 

そして辿り着いたゴール。

「道路だ! 文明だ!」

 

安堵のせいか目頭が熱くなります。

 

 

 

 

加工する前の下準備

 

それからは特に目立ったイベントもなく平穏なルートで帰社。

伐採してきた木々を荷台から降ろして、

 

 

 

壁に立てかけて数量を確認。

 

イルミネーションに使用しても余るほどの物量に胸焼けさえしましたが、足りないよりは全然マシなのでこれで良しとします。

 

 

 

 

 

外から見てみるとコレはこれで良い感じ・・・

 

「このまま地面に植樹してしまおう」とすら思ってしまいました。

 

 

 

今回必要なのは「枝」なので、このまま1週間ほど放置して枯れるのを待つことにしました。

 

 

 

 

回想

 

時計を確認すると針は「13時」を差していました。

 

ついさっきまでは視界全てがネイチャー色に覆われた世界でダンプ特攻していたのが夢物語のように思えます。

色々と苦労したこともあり、入手した素材は余すこと無く大切に使用したいと思いました。

 

 

 

 

以上、イルミネーション設置に至り突如発生した想定外イベントの全貌です。

 

 

 

 

 

 

次回はいよいよイルミネーションを組んで行きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

(´-`).oO(結局チェーンソーは一度も使わなかったなぁ・・・)

 

 

 

 

 

 

 

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