「アレ」を染める「コレ」も染まる -樹脂着色用染料「SDN」を使用した「異素材」の染色実験-

 

 

染める素材の紹介と結果予想

 

100均ショップを徘徊し、思いつくままに素材を集めました。

 

【素材No.1】 綿

【予想】◎ キレイに染まる

とりあえず「染める」といえばコレでしょ!

と最初に頭に浮かんだ素材。 染め物界のスタンダード選手。

 

 

 

 

 

【素材No.2】 ポリエステル

【予想】◎ キレイに染まる

「綿」と同様に「染めると言えば(略)」

天然素材である綿とは違い「化学繊維寄り」な属性に期待が高まります。

 

 

 

 

 

【素材No.3】 アクリル

【予想】◎ キレイに染まる

ポリエステルと同じく化学繊維属性。

「染料液に浸けた瞬間に染まっていくでしょ?」的な安心感があります。

 

 

 

 

 

【素材No.4】 アクリル樹脂 

【予想】◎ キレイに染まる

もろプラスチック(樹脂)のため、ほぼ間違いなく染まると思われます。

 

 

 

 

 

【素材No.5】 輪ゴム

【予想】 薄く染まる

プラスチックとまではいかないまでも、内部まで液が浸透しそうなイメージがあるので期待を込めてのエントリー。

 

 

 

 

 

【素材No.6】 シリコーンゴム

【予想】 薄く染まる

輪ゴムとの差異を観察するために選んでみました。

 

 

 

 

 

【素材No.7】 石

【予想】△  表面の一部が染まる

「硬質」といった点ではプラスチックと同類ですが、これは似て非なるもの・・・。

もし染まることがあれば今後のモノ作りに幅が広がるので、わずかな望みをかけてエントリー。

 

 

 

 

 

【素材No.8】 陶器

【予想】× 染まらない

「石が染まるのならコレも染まるでしょ?」 と、完全にノリでエントリー。

 

 

 

 

 

【素材No.9】発泡ポリスチレン (発泡スチロール)

【予想】△  表面の一部が染まる

これも内部に浸透系で行けそうなんですが・・・

表面がツルツルしてるのであまり期待ができません。

 

 

 

 

 

【素材No.10】 おゆまる (熱可塑性樹脂)

【予想】△  染まるが色が安定しない

お湯で温めると粘土状に柔らかくなる樹脂。

原材料はポリエチレン樹脂ですがパッケージには原材料表記はされていませんでした。

 

プラスチック属性ではありますが、形状が変化することで染料が流れていきそうなイメージがあるため予想は△とします。

 

 

 

以上、10点の素材を検証してみることにします。

 

 

 

 

会社2階の実験室

 

今回は染めるものが多いため、会社の2階(倉庫)を利用。

前回から本格的に採用された「ビーカー」と「HI」。

双方の恩恵で染色するための準備がすこぶる楽になりました。

 

 

染める素材が「10種類」あるので入念に温度や染める時間を確認。

 

表記されていない素材に至っては「70℃前後の温度で時間をかけて煮込み続ける」ことに決めました。

 

 

 

HIに電源を入れて徐々に温度を上げていきます。(温度計のクリップもガッツリ奥まで差し込んでいます

 

 

 

アシスタントとして呼んだデザイナーのミムラさん ↓↓

お気に入りの白いトレーナーが汚れる危険を感じてか、距離を置いて傍観。

 

 

(´-`)「そんなところに立ってないで手伝ってよ」

 

 

 

Σ J(;´Д`)し.oO( エーッ )

 

 

 

 

上司の命令で渋々アシストを開始。

スタッフジャンバーを羽織り、気化された染料液から喉を守るためマスクを着用しました。

上着のカラーが染料液と同じだったのが個人的にツボです。

 

 

 

 

 

染料実験開始と意外な結果

 

 

【素材No.1】 綿

【予想】◎ キレイに染まる

染料液に浸しただけで瞬時に色が染みこんでいきます。

 

 

 

 

【結果】○ ほんのり染まる

予想通り染まりはしましたがほんのり色が着いただけで留まりました。

もっと濃く染まると思っていたのでちょっと拍子抜け。

 

 

 

 

 

【素材No.2】 ポリエステル

【予想】◎ キレイに染まる

綿と同じく繊維が急速に染料液を吸っていきます。

 

 

 

 

【結果】◎ キレイに染まる

これは予想通りキレイに染まってくれました!

天然繊維より化学繊維であることに分があったのでしょうか?

 

 

 

 

 

【素材No.3】 アクリル

【予想】◎ キレイに染まる

これは・・・ なんの問題もなく染まる気がする。

 

 

〜 5分後 〜

しっかりとピンク色が繊維に定着しているように見えました。

 

予想通りの結果だな ・・・と思いきや、

 

 

 

【結果】× ほぼ染まらない

なんと! 流水で洗えば洗うほど色がどんどん落ちていきます。

同じ染料である「ダイロン」のように色止め処理が必要なのでは?と感じました。

 

 

 

 

【素材No.4】 アクリル樹脂

【予想】◎ キレイに染まる

 

実験開始からビーカーの底に沈めてあったサイコロを取り出します。

Σ (;´Д`)ふおおおおおおっっっ!?

 

 

 

 

【結果】◎ めっちゃキレイに染まる

今回の実験で一番プラ感のある素材だけに染まりっぷりはハンパ無いです。

 

 

 

 

【素材No.5】 輪ゴム

【予想】 薄く染まる

 

 

 

【結果】◎ キレイに染まる

これも予想に反してメッチャ綺麗に染まりました。

 

 

 

 

【素材No.6】 シリコーンゴム

【予想】○ 薄く染まる

 

輪ゴムと同じ属性っぽいのでこれも問題なく染まる気がします。

 

おっ! 予想通り良い感じ。

 

 

「あっ!」タコみたい!

無邪気にはしゃぐアシスタント ↑↑

 

素材を染める度に程良いリアクションが返ってくるので、その場の空気がまるで教育番組のようなノリに。

 

 

【結果】○ 薄く染まる

 

 J(´Д`)し「女の子が好きなピンクですね!」

 

 

Σ (´-`).oO(え?! ナニソレ?)

 

 

 

 

 

染色困難な素材

 

【素材No.7】 石

【予想】△  表面の一部が染まる

「どうせ染まらないよ・・・」と思いながらも密かに期待して染めてみましたが・・・

 

 

【結果】× ほぼ染まらない

結果はこの通り・・・ ┐(´~`)┌

 

染料液から引き上げ後は染まっているようにも見えましたが、水で洗うと瞬く間に元の状態へ戻っていきました。

 

やはり「石系」は手強いようです。

 

 

 

 

 

【素材No.8】 陶器

【予想】× 染まらない

石がダメということはコイツも・・・

 

 

【結果】× ほぼ染まらない

案の定でした。

ツルツルの表面にはまったく歯が立ちません。

 

ザラザラしている底面くらいは染まるかな? と淡い期待を抱きましたがそれも残念な結果となりました。

 

 

SDNでは「石系」を染めることは不可能だと判明しました。

 

 

 

そして一番問題だったのがコレ↓

 

 

【素材No.9】発泡ポリスチレン

【予想】△  表面の一部が染まる

  ↑ ↑ プカッと浮きます。

 

どんなに押さえつけても強烈な浮力で抵抗。

 

このままでは実験が進まない・・・

 

 

 

いろいろ考えた結果、実験に使用した器が運良くピッタリサイズだったので、

 

ガッツリと食い込ませた状態でホールド。

陶器の重さで沈めることにしましたが・・・

 

 

無情にも浮かんできました\(^o^)/

戦慄を感じるまでの強力な浮力に感動すら覚えつつ「何とかしなければ・・・」と知恵を絞り、

 

 

 

 

 

 

                  \ とりあえず ぶっ刺しました /

 

 

 

「温度計の先端が尖っていたのはこの瞬間のためだったんだ・・・」

 

と、大宇宙の意思を理解しつつ、ゆっくりと染料液へと沈めます。

 

 

そしてクリップでガッチリホールド。

 

その様はまるで「おでん」のようでした。

 

 

 

 

 

 

【結果】△ 表面の溝に染料が浸食する

結果、表面・・・ というか溝?に染料が入り込んだ形となりました。

 

流水で洗っても写真の状態ですがこれは・・・厳密には染まってる・・・のか?

 

 

 

 

最後のお楽しみ「おゆまる」

 

最後に一番楽しみにしていた「おゆまる」

 

【素材No.10】 おゆまる

【予想】△  染まるが色が安定しない

液に投下した瞬間、高熱で餅のようにトロ〜リと溶けて行きます。

 

 

 

ビーカーに放置すること2分間。

なんというか駄菓子感の漂う風貌へと進化しました。

 

(´-`).oO(こんなゼリー見たことある・・・)

 

 

ここまでは予想通り、問題はこの後ですが・・・

 

 

 

【結果】◎  キレイに染まり、練ってもこねても薄くならない

一応プラスチック属性ということもあり、しっかりと染まっていました。

 

 

形状が安定しない媒体のため、練れば練るほど色素が薄くなっていくイメージがありましたが、

お湯で温めながら伸ばしたりこねたりを繰り返すこと15分ほど。色味が薄くなることはありません!

 

一体どんな理屈で染まっているのかは分かりませんが、ピンクのおゆまるが誕生。

想定外の展開に嬉しくなります。

 

そんな喜びを知るよしもなく、向かい側に鎮座しているミムラ氏のつぶやき。

 

 

 

 

\ なんかコレって、“未来の食べ物”っぽいですよね /

 

(´-`).oO(はぁ?)

 

 

(´-`).oO(ミライノ ・・・タベモノ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ↓  未来の食べ物   ↓

(´-`).oO( ・・・ )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

染色の深さを検証してみる

 

最後に切断が可能な素材をカットして中身を覗いてみようと思います。

 

 

リューターソー(回転ノコ)を使って角をカット。

 

 

 

 

【アクリル樹脂】

今回の実験で一番の染色濃度だったので「さぞかし深くまで染まっているだろう」と思いきや、表面から0.3mmほどで止まっていました。

 

硬いもので表面を擦れば簡単に色が剥がれてしまうレベルです。

 

 

 

 

【輪ゴム】

内部にも染料がしっかりと届いていました。

アクリル樹脂に比べると外側の染まり具合は薄めですが、内部までの浸透具合では輪ゴムの勝利。

 

 

 

 

【シリコーンゴム】

輪ゴムと同じく内部まで色が浸透しているように見えます。

もう少し長く浸け置きしておけばさらにしっかりと染まったかも知れません。

 

 

 

【発泡ポリスチレン】

表面の染まり具合も微妙だったので予想通りというか、内部はまったく染まっていませんでした。

もともと水分を弾く素材のため染色することは極めて難しい素材だと痛感。

 

 

 

 

 

 

 

実験のまとめ

 

突然の思いつきから始まった今回の実験。

結果はこのような結果となりました ↓↓

 

 

 

石、陶器、発泡スチロールには無効と判明したものの、プラスチックと似た材質なのに一体なぜ染まらないのか?モヤモヤした疑問だけが残りました。

また、アクリル繊維が洗浄すると色が落ちてしまったのも意外です。(※ちゃんとした繊維用の染料なら可能)

 

 

 

今回は立て続けに染色をした上に温度も時間もまばらだったため、素材に対して適正な条件ではなかった可能性があると思いました。

あくまで「参考レベル」程度で参考にして頂ければ幸いです。

 

 

 

 

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