時計の小傷を消してみよう 目立つ傷の除去とヘアラインの復活 -前編-

普段なんとなく身につけているが故に、つい「ガツンッ」とぶつけてしまいがちな腕時計。

長い間使い続けているとベルトの表面は擦り傷が目立ち、購入当初の姿がどんどん劣化していきます。

今回は「コストを掛けず」「可能な限り手作業」を目標に研磨作業を行ってみました。

作業自体はとんでもない労力が掛かりましたが、結果は良好。

長年の汚れや傷がキレイに消えてヘアラインが復活しました!


※ご紹介する方法はあくまで自己流のメンテナンス方法です。
思わぬ破損を招く恐れがあるため、実践する場合はくれぐれも自己責任で行ってください。


ヘアライン加工のやり方はコチラから↓

同じ時間を共にした腕時計

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【CITIZEN ATTESA】

2007年に購入してから10年近く左手首にて時間を刻んでいます。

金属部分は「チタン製」のため非常に軽く、驚くほどの強度。

無意識にドアなどにぶつけたり、うっかり腕の高さから落としても目立った外傷を負うことの無いタフネスさを誇ります。

“10年間ひと昔” の傷

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とはいえ「装着期間=ほぼ毎日」ということもあり、10年の間に蓄積した小傷が目立ちます。

簡単なメンテナンスは定期的に行ってはいますが、大きな節目にひとつ本格的な補修作業を施した方が良いのでは?と思い始めました。

手始めにベルトを分離してみる

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全体を詳細にチェックするためベルト部分を外します。

金属ベルトの詳しい分解手順はコチラから↓ 

まずは状態をチェック

金属ベルトの状態

本体から分離させたことで隅々まで見渡せるようになりました。

手始めにベルト部分の状態を確認。

-01-【ベルト表面】

-02-【ベルトうら側】

-03-【もっとも目立つ傷】

-04-【ヒンジ表側】

-05-【ヒンジうら側】

-06-【ベルトバックル刻印】

全体的に「皮脂汚れ」「擦り傷」に加え、「ヘアライン」が鈍化していました。

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この状態を見る限りでは、購入した当初のイメージが思い出せません。

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そんな中発見した「窪み傷」

今回一番の大物です。

0.3mm程の窪みですが「消す=削る」となるため、必要以上に金属を削り取る可能性も考えると気が引けます。

文字盤の状態

気を取り直して文字盤の状態を調べます。

“精密部品の集合体” のため大胆な研磨はなるべく避けて通りたいところ・・・

-07-【文字盤のフチ】

予想通り結構な数の傷が付いています。

「鏡面」に付いた傷なのでキレイに消すのは骨が折れそう・・・

-08-【文字盤の側面】

側面もヘアラインが消えかけていていました。

「シャープ感」が消えて “ノッペリ” とした印象。

【文字盤のクリスタルガラス】
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各所に研磨箇所が見つかる中、ガラスの状態は良好。

当時「傷を付けられるものなら付けてみろ!」系のキャッチコピーに惚れて購入したこともあり、「さすがCITIZEN!」と言ったところ。

状態も良好なことから「ガラス磨き」の行程は必要無さそうです。

-09-【文字盤の裏面】

肌に常に当たる部分のためか、金属の表面が酸化(?)しているように見えます。

皮脂汚れを除去すればどうにかなりそうですが・・・。

ひと通りの確認を終えて「長い作業になりそう・・・」とため息。

これから行う手順を組み立てながら、次の行程に進みます。

作業前の洗浄

ベルトにベッタリと付いた「皮脂汚れ」を除去するため、「入れ歯用洗浄剤」に10分ほど漬け込みます。

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細かい発泡が隅々まで浸透して油汚れを分解中。

「洗浄剤」による金属ベルトの洗い方はコチラを参考にしてください ↓ 

洗浄後の状態

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洗浄剤で洗っただけでも視覚的な違いが確認できます。

油汚れが除去されただけで「光沢」が蘇りました。

-01-【ベルト表面



-02-【ベルトうら側

洗浄することで光沢が蘇り、表面の傷が鮮明に目立ち始めました。

気持ちを入れ替え、ここから本格的な研磨作業に移ります。

本格的な研磨作業を開始

ベルトの下準備

ベルトの裏面(研磨する方と逆側)を「セロテープ」で止めてしっかりと固定。

裏面を研磨するときは逆面に貼ってください。

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薄いテープ1枚貼るだけですが、作業効率は激的に変わります。

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「耐水ペーパー」を「20mm×40mm」の大きさに切り分けて短冊状にしました。

細かい金属片が舞うのを防ぐため水を付けて研磨作業を開始。

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まずは「240番」を使って全面を荒削りします。

ここで無数の傷が付いてしまいますが、

「小傷落とし」=「金属表面を薄く削り取る作業」

となるため大胆に削っていきます。

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ただし「刻印」を含む箇所は慎重かつ「ここは傷が残っても良いか・・・」といった気持ちで進めます。

繰り返しますが「表面を薄く削り取る」作業なので、刻印の深さも自動的に浅くなってしまうので注意。

何往復させても全く消えない傷を目の当たりにして、チタンの硬度を改めて痛感しました。

「スポンジ研磨材」を使用しての研磨作業

大胆に傷を削る作業を全体に施したところで「整地作業」へと移ります。

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3M社の「スポンジ研磨剤」

左から「1200番」「800番」「320番」「240番」

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最初は「荒め」の240番からスタート。

目視できる傷を徹底的に擦っていきます。

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このスポンジ研磨剤は “曲面の素材に対しても均等な力を加えることができる”ため、形状が安定市内時計のベルトには最適。

「傷を消す」目的の耐水ペーパーとは異なり、最終的な「ヘアライン」の下地を付けることを想定してなるべく「一定方向(左から右を繰り返す等)」に向かって磨いていきます。

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長い時間磨いていくと研磨力が失われるので小まめな交換が必要。

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基本的に写真のような色になってしまった部分は使用不可のサインです。

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このまま番手を細かくしていき、コンパウンド」→「ピカール(金属研磨剤)」を使用すれば「ミラーフィニッシュ(鏡のような表面仕上げ)」が可能となります。

今回はゴールが異なるため見送りました。

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スポンジ研磨剤を用いた作業が終了。

最終的には「800番」で手を止めて様子を見ます。

研磨終了後の状態確認

-01-【ベルト表面】

-02-【ベルトうら側】

-03-【もっとも目立つ傷】

一番やっかいだと思われた「窪み傷」も少しずつ消えていきました。

ここは時間をおいてしっかりと消していきたいところですが、深さの関係で完全に消すのは難しいかも・・・

-05-【ヒンジうら側】

-06-【ベルトバックル刻印】

刻印を避けるように注意して磨いていきました。

全面で目立つ傷は軽減されているように見えます。

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ようやく「ヘアライン」を付ける一歩って前まで漕ぎ着けました。

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このままひたすら磨けばピッカピカになります。

ここから再び「傷を付ける(ヘアライン処理)」ことになるのでちょっと勿体ない・・・。

後半はいよいよ「ヘアライン出し作業」へ移ります。

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